超能力坊主

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友人のB君は素直な性格なので、飲み屋で催眠術をかけられて宙に浮かされ、酔客たちの酒の肴になった。自分では飲み代に影響するといけないのでかかったフリをしたと言っているが、そんなことはない。白目が出ていた。

先日五十名ほどの社長会にゲストで「氣」の先生を招いてみんなでスプーン曲げをした。何を子供だましなことを、と思っているとアチコチで曲がった曲がったと声がする。結局十数名の人がスプーン曲げに成功した。先生は「素直な人は曲がるんです」と言った。どうやらボクは素直ではないので、こういう面白い体験ができないらしい。人は本来みんなすごい隠れた能力を持っていて、今でもテレパシーで交信している部族があるそうだ。となると現代人の条件とは素直でないために超能力を失った人か。ひねくれた気持ちが道具の発達を促し、それが本来備えているはずの能力を殺してしまったのか。

知合いの発明家の坊さんが、便秘解消の秘密兵器を作って主婦層に売ろうとした。この秘密兵器の原理はとても簡単で、細いホースを肛門に入れて、ポンプで水を流し込むだけだ。この恥知らず坊主(結構有名な高僧)は主婦の前で実験までして見せたらしい。実際宿便まで取れて爽快な気分になれるらしい。

ところがこの坊さん、秘密兵器を持たずに海外旅行に出かけ十日間も便秘になって苦しんだ。道具に頼って腸が本来の役目を忘れ始めたらしい。「危うく人間本来の能力のひとつが消えるところでした。教訓は人生のアチラコチラにあるものです。仏様に感謝しましょう」と後で言っていた。

 

菩薩げんぱつ

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仏の位では「如来」が最高位だ。大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来などがそうだ。その次が「菩薩」で、観音菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩などがある。その下に「明王」「天部」と続く。

チベット仏教は密教なので大日如来を崇拝している。その生まれ変わりがパンチェン・ラマだ。そして観音菩薩の生まれ変わりがノーベル平和賞のダライ・ラマだ。それぞれ妻帯を許されていない。十四世ダライ・ラマと十三世ダライ・ラマには血のつながりはないので、輪廻転生の儀式で選ばれたものが後を次ぐ。この儀式はブラピが主演した『セブンイヤーズ・イン・チベット』に出てくる。

面白いのは、菩薩の化身であるダライ・ラマのほうが、如来の化身であるパンチェン・ラマよりも圧倒的に力を持っていることだ。ドイツの大統領と首相のようだ。しかし、宗教でこれはどういうことか。現在ダライ・ラマは国外追放の身であるが、チベットにいるパンチェン・ラマよりもチベット民族の心の支えとなっている。

密教は現世利益をモットーとしている。大日如来は確かに偉いけれどずっと遠くにいて何もしてくれない。しかし観音菩薩はもっと人々のそばにいて、手を差し伸べてくれる。この現実性がダライ・ラマ崇拝の背景にある。しかしそうは言っても、観音さまの仲間である弥勒菩薩は五十六億七千万年後に地上に降りて人々を救ってくれるらしいが、ちょっと長過ぎないだろうか。

ところで、原発に「もんじゅ」とか「ふげん」とか菩薩の名前が付いているのはなぜだろう。ズルいというか不愉快だ。

 

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