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LCL(海上混載輸送)とは?メリットや、FCL(海上フルコンテナ輸送)や航空貨物輸送との違いを比較

作成者: セイノーロジックス株式会社|2025.10.31

この記事では、LCL(海上混載輸送)の基本から、FCL(海上フルコンテナ輸送)や航空輸送との違い、さらに、それぞれの輸送方法についてコストなどの特徴を比較し、どの輸送方法が適しているか判断をするためのポイントも分かりやすく説明しています。案件ごとに最適な輸送手段を選ぶための参考にしてください。

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LCL(海上混載輸送)とは?

LCLとは「Less than Container Load」の略で、コンテナ1本に満たない量の貨物を、他社の貨物と一緒に1本のコンテナにまとめて輸送する方法を指します。
輸送業界では「海上混載輸送」とも呼ばれます。海上混載輸送業者は、指定のCFS倉庫に搬入された複数の荷主の小口貨物を集約し、ひとつのコンテナに積み込んで(=バンニング)船積みします。

この方法は、貨物量が少ない場合でも海上輸送を活用して輸送できる点が最大の特長です。
特に、「数パレット単位」「小ロットの定期出荷」「新規市場テスト」のようなケースに最適です。

また、近年では貨物輸送におけるサステナビリティ(持続可能性)が重視されており、海上輸送は、国際輸送の中でも比較的環境負荷の低い輸送方法です。その高い輸送効率は、国際社会のサステナビリティ実現に大きく貢献できる選択肢と言えます。

関連情報:セイノーロジックスの輸出海上混載輸送サービス

 

FCL(海上フルコンテナ輸送)との違いを比較 

FCLは「Full Container Load」の略で、1社の貨物で1本のコンテナを専用利用する輸送方法です。


比較項目


LCL


FCL


コンテナの利用方法


複数荷主で共有


1社専用


料金体系


容積・重量に応じた従量制


コンテナのサイズ・本数


出荷のタイミング


少量でも
すぐに出せる


コンテナが満載の
物量になるまで保留


適した物量


小~中ロット


中~大ロット

FCLではコンテナを1本単位で利用するため、貨物量が少ない場合はコンテナ内に「空きスペース」が生じることがあります。結果として、実際に使用していないスペースにも費用を負担することになり、コスト面での無駄が発生します。

 航空貨物輸送(エアー輸送)の違いを比較 


比較項目


LCL


航空貨物輸送


スピード


数日~数週間


1~3日


コスト


安価

高額


適した用途


・小ロットでコスト重視の定期輸送
・少量しか送らないトライアル輸送
・航空便での輸送が難しい危険品など
・カーボンニュートラルを意識した
 輸送体制を求められる場合


・輸送リードタイムが短いもの
・少量で高価な品物や鮮度が
 問われる品物

航空貨物輸送はスピードが最大の魅力ですが、コスト面ではLCLより高額です。
また、取り扱いが可能な貨物サイズ・重量に関する制限があり、危険物や冷凍品の輸送においては制約が厳しくなります。

 LCLの選択が最適なパターン

1. 輸送したい物量がコンテナ1本に満たない場合
貨物量に応じてスペースを利用できるため、小ロットからの輸送に便利にご利用いただけます。また、試験出荷や新規取引先への少量輸送など、まとまった物量がない場合にも、LCLは利用したスペース分の費用のみで輸送が叶います。

2. 出荷頻度を上げたい場合
多くの混載輸送業者が定期的にLCLサービスを提供しています。できた商品をすぐに輸出することができ、在庫リスクの軽減にもつながります。定期的な輸送を実現できることから、物流倉庫などにおいて在庫管理の手間を軽減することができ、物流コスト全体の面でも最適化を実現できます。

3. 世界中に輸送することがある場合
LCLサービスでは主要港を経由して、その先の仕向地までネットワークが世界中に展開されています。
※ セイノーロジックスのLCLサービスの仕向地はこちらからご確認いただけます。

関連情報:セイノーロジックスのサービスマップ

4.輸送による環境負荷への課題感がある場合
LCLは、複数荷主の貨物を1本のコンテナにまとめることで、輸送効率を高め、空コンテナの発生や未積載による燃料ロスを削減します。
航空輸送やFCLに比べ、貨物単位あたりのCO₂排出量を抑えることができ、サプライチェーン全体の環境負荷を軽減します。カーボンニュートラルへの取り組みにもつながります。

LCLに関するよくある質問(FAQ)

Q. LCLの輸送費用はどのように計算されますか?
A. 一般的には、貨物の容積(単位:M3)と重量(単位:TON)を比べ、数値の大きい方で算出されます。これはW/M(Weight or Mesurement)ルールと呼ばれるものです。

Q. 同コンテナ内に積載された他の荷主の貨物による影響はどのようなものがありますか?
A. 一般的には、他の荷主の貨物が何らかの機制に抵触した場合、コンテナ単位で検査対象となることがあります。検査対象にならないよう、混載に適した条件で出荷する必要があります。

Q. 危険品や食品もLCLで輸送可能ですか?
A. セイノーロジックスでは、危険品も混載サービスがご利用いただけます。輸送中の温度管理が必要な食品には、コールドチェーンを確立した冷蔵・冷凍混載輸送が最適です。通常、輸送前に条件確認が必要となります。

関連情報:セイノーロジックスの危険品混載サービス
関連情報:セイノーロジックスの冷凍(ばりひえ)・冷蔵(ひんやり)混載サービス

Q. FCLとLCLの使い分けについては何を基準に判断するべきですか?
A. 一般的には、貨物量が10TONあるいは20M3を超える場合はFCLの方がコスト優位になります。仕向地や実際の荷姿等によって異なりますので、不明な場合は場合はお気軽にご相談ください。

Q. LCLで取り扱いに注意が必要な貨物はありますか?
A. 一般的には、業者が貨物に触れる回数が多いこと、他荷主の貨物と合積みであることから、混載に適した梱包強度が必要となります。
また、長尺・背高貨物、重量貨物、段積不可貨物、危険物、食品などの貨物については、セイノーロジックスでは事前の条件確認が必要です。

関連情報:セイノーロジックスにおける特殊貨物の取り扱いについてはこちら

Q. LCLで取り扱いできない貨物はありますか?
A. 一般的には、生体貨物(動物輸送)、他の貨物へ影響を与える貨物(他の貨物への損傷や臭気移染が考えられる貨物)、輸出用梱包が不十分な貨物(他の混載貨物と合積みできないほど梱包強度がが弱い貨物)などは取り扱いができない場合があります。