2026.06.30

【第41話】超能力坊主

~ セイノーロジックス創業社長、渡辺景吾が執筆したエッセイ「ゐねむりゑびす」から ~

友人のB君は素直な性格なので、飲み屋で催眠術をかけられて宙に浮かされ、酔客たちの酒の肴になった。自分では飲み代に影響するといけないのでかかったフリをしたと言っているが、そんなことはない。白目が出ていた。

先日五十名ほどの社長会にゲストで「氣」の先生を招いてみんなでスプーン曲げをした。何を子供だましなことを、と思っているとアチコチで曲がった曲がったと声がする。結局十数名の人がスプーン曲げに成功した。先生は「素直な人は曲がるんです」と言った。どうやらボクは素直ではないので、こういう面白い体験ができないらしい。人は本来みんなすごい隠れた能力を持っていて、今でもテレパシーで交信している部族があるそうだ。となると現代人の条件とは素直でないために超能力を失った人か。ひねくれた気持ちが道具の発達を促し、それが本来備えているはずの能力を殺してしまったのか。

知合いの発明家の坊さんが、便秘解消の秘密兵器を作って主婦層に売ろうとした。この秘密兵器の原理はとても簡単で、細いホースを肛門に入れて、ポンプで水を流し込むだけだ。この恥知らず坊主(結構有名な高僧)は主婦の前で実験までして見せたらしい。実際宿便まで取れて爽快な気分になれるらしい。

ところがこの坊さん、秘密兵器を持たずに海外旅行に出かけ十日間も便秘になって苦しんだ。道具に頼って腸が本来の役目を忘れ始めたらしい。「危うく人間本来の能力のひとつが消えるところでした。教訓は人生のアチラコチラにあるものです。仏様に感謝しましょう」と後で言っていた。